宮部みゆきといえばミステリーが有名ですが、
時代劇やファンタジーなども魅力的
本当に作中のキャラクターが存在しているかのような細やかな人物描写と
緻密なストーリー展開で多くの読者を魅了しています
宮部みゆきさん本人の意外な趣味をもっており、
ゲームをすることが好で、実際にゲームのシナリオを監修したこともあるようです
そんな宮部みゆきさんの作り出す物語の中で、「これは是非とも読んで欲しい!」代表作品を10冊
各レビュー順にランキングしたので、気になる作品を手に取ってみてください
・ミステリーが好きな人
・映像化された「模倣犯」や「ソロモンの偽証」などを見て、他の作品もチェックしたい人
・面白い小説が読みたい人
レビュー順ランキング
複数のオンラインショップからレビューを集計し、ランキングを作成しました
Amazon、楽天ブックス、セブンネット、hontoから5点満点です
早速、発表します!
各ショップのレビューと、発行年・ページ数などはこんな感じ
1位は「模倣犯」 中居正広主演で映画化もされました
2位は「火車(かしゃ)」 よくできたミステリーというレビューが非常に多かったです
3位は「龍は眠る」 超能力を持った少年というSFチックな人物から、物語が始まります
2位から4位までは総合レビューは4.13で同じなのですが、
レビュー数という得失点差で順位付けしました
次からは10位から、1作品ずつ掘り下げて紹介します
第10位 人質カノン
【印象的なレビュー】
7編の短編が納められた作品集です。
読んでみると、子どものイジメや男に捨てられた女性を題材にした作品が多いなど、人生の理不尽や、やるせなさが息苦しいほどに迫ってくる先品集であり、どの作品も重苦しくほの暗いイメージがします。
しかし、その中にも、宮部みゆきさんの、弱者である子どもや女性に寄り添った気持ちが感じられ、多くの作品でラストは生きることの希望を見出す作品が多いです。なので、暗いわりに読後感はけっして悪くはありません。宮部みゆき作品らしい、ていねいに紡がれた作品ばかりであり、私は、1日1~2話づつ丁寧に読ませていただきました。読む価値の十分にある短編集と思います。
なお、私は文庫本ではなく、ハードカバーの単行本(1996年1月30日発刊)で読んだのですが、カバーの絵のデザインや色合い、紙質は不思議に印象に残ります。装画は井筒啓之、装幀は木本百子の各氏となっており、作品のほの暗い静けさとていねいな作風と相まって、この本の空気感を形作っています。作品だけでなく、本としての作りもていねいさを感じる、良い本と思います。
第9位 理由
【あらすじ】
東京都荒川区の超高層マンションで起きた凄惨な殺人事件。殺されたのは「誰」で「誰」が殺人者だったのか。そもそも事件はなぜ起こったのか。事件の前には何があり、後には何が残ったのか。ノンフィクションの手法を使って心の闇を抉る宮部みゆきの最高傑作がついに文庫化
【印象的なレビュー】
超高層マンションで起こった殺人事件。
しかし、被害者が事件の起こった部屋の住人ではなかったことから謎が深まります。事件にかかわった様々な人間の証言をもとに描くというノンフィクションタッチの小説です。
ひとつの事件解決の経過を追っていくのが面白かったです。それと同時に現代の人間関係の希薄さなど考えされられることもあったし、「競売」も分かった気がします。
ボリュームたっぷりで読み応えのある作品です!
第8位 魔術はささやく
【あらすじ】
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。
【印象的なレビュー】
北海道の小さな町から母を亡くしひとりぼっちになった12歳の少年が東京の母の姉である叔母の家へ引き取られて来ます。
タクシー運転手である叔父が信号を無視して飛び込んできた女性を撥ねてしまいます。何故、この女性は自ら飛び込んできたのか?
サブリミナル効果など伏線は張られているものの、3人にも及ぶ自殺事件の謎は深まるばかり。少年は横領犯であり失踪した父親を持つという過去を背負いながら、その謎に挑戦して行くのです。
…もう、これだけでも興味津々な展開ですよね。解答編になって題名「魔術はささやく」は深い多くの意味が込められているのだ分かり、さらに感動は高まるのでした。罪を憎み、犯人を憎み、無念の行き所を模索。親子の愛、友達の愛、恋人の愛、そして自己愛。
愛は憎しみを越える事が出来るのでしょうか? 愛は罪を許す事が…。深くて重いテーマが読者に投げかけられますが、そこに一つの解答が示され、やりきれなさは残るものの不思議と晴れ晴れと本を閉じる事が出来ました。
「クロスファイア」にも通じるこのテーマ、解答は無数にあると思いますが、解決の糸口が憎しみのをもたらす愛と同じやはり愛なんですね。辛い過去を持ちながら、母の愛、叔母家族の愛、友達の愛、アルバイト先の先輩の愛、…と、
多くの愛に囲まれた主人公「守」は自らも愛を捧げます。…吉武を見送った「守」の行き先は輝いていました。
第7位 レベル7
【あらすじ】
レベル7まで行ったら戻れない――謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。
【印象的なレビュー】
人の心を感動させる作品を期待して読んだのですが、期待以上にミステリ色も濃いしサプライズもありで、もう見事というしかありません。厚くてP657もあるので読むのは大変だったのだけど、それにお釣りが来るくらいの満足感。
レベル7までいったらもうもどってこなくていいんだよ———
とある男女が見知らぬ部屋で起きる。不思議なことに記憶がないのである。自分達の名前すらわからない、腕には“Level-7 F-112-a”との謎の文字。見知らぬ部屋には大量の現金と拳銃と血のついたタオル。ただならぬ事態を感じながら、彼らは自分探しの調査に乗り出す。
一方でカウンセラー悦子は、少女みさおが行方不明となっていることを知る。彼女の日記には「レベル7までいってみる。もう戻れない?」の文字。悦子は独自でみさおを行方を追い始める。片方は謎だらけな状況から始まりぐっと読者を惹きつけ、謎が解けかけては新たな謎が出てで、作者の押引の妙にうまさを感じます。もう片方は、カウンセラーが少女を探すストーリーの中に、少女が持つ悩みや現代社会の心の病を織り交ぜてあって、何か心に訴えかけられるものがあったり。
この二つの物語、ある事件をキーワードにゆっくりと編み上げられていきやがては一つに収束する。最後にはサスペンスな展開もあり、そしてサプライズまで用意されているんだからもう贅沢極まりない。ストーリー展開設計の完成度の高さに只々感心するばかり。エピローグを読んだ後、もう一度プロローグを読んでまた納得。凄いな〜
第6位 ブレイブ・ストーリー
【あらすじ】
小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!
【印象的なレビュー】
こちらおすすめブックツリーのラインナップにあって
久しぶりに本棚から出してきて読みました。かなりのボリュームですが、ぐいぐいと読ませる力があるのは作者の力量です。
上巻のほとんどがファンタジー世界ではなく現実の世界
子供にとっては(大人にとってもだけど)理不尽できつい状況が繰り広げられる。
子供と言っても、まったく事情がわからない年ではなく、でも現実的な力は足りない。
大人の事情がどんどん襲ってくる感じ。
そんな微妙で苦しい状況が丹念に描かれているので、読み進めるのが心的につらいところもある。
でもこれは大切な部分。
この運命を変えられるという”幻界”への旅への動力になるからだ。少年が異世界を冒険するというのはそんなに珍しいことではないのですが
そこを乗り越えて冒険を読み進めていけるのはこの作品の力所以だと思います。
第5位 ソロモンの偽証
【あらすじ】
クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった―。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。
【印象的なレビュー】
模倣犯でもハマった経験があるので、これも確実にハマります(笑)
最初は登場人物が多すぎて把握するのに大変でしたが、途中からは一気に読了。宮部さん作品には必ずと言っていいほど、人間としてどうなの?って人物が存在しますが、この1巻ですでに3人登場。
特に担任教師の隣の住人はとても不気味で恐ろしい…。こういう登場人物が物語をさらに面白くしているんですけど。亡くなった少年の兄がこの先、自分の理解者を得る事が出来ればいいけど、宮部さんはそう簡単には進めないんでしょうね〜(笑)今後も楽しんで読みます。
第4位 名もなき毒
【あらすじ】
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。
【印象的なレビュー】
もちろんフィクションだが、ノンフィクションとして身近にありそうな話。
事件は、青酸カリによる無差別殺人....なのだが、その悲惨な事件が脇役になってしまうほどの何本も平行して起こる小さなしかし見過ごせない事件...「他人がどうしても気に入らない。」「自分のせいじゃない」という誰もが普通に思う感情の積み重ねが臨界点を越えて起こる事件が巻き起こる。
ニュースで見聞きする事件の多くはたぶんそのようにして起こるのだと当たり前のことを確認した気もする。そして、自分の中に潜む「毒」を思う。それは、こころが弱われば、自らをも殺す「毒」だ。
すべてを強く他人のせいにしたときは犯罪をもよぶ「毒」。しかし少しの「毒」も無ければ、戦えない。
そして、人の中にある「毒」は「言葉という道具」でもってその威力を発揮するのだなぁ...。面白いけれど、恐ろしい。
第3位 龍は眠る
【あらすじ】
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ……宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。
【印象的なレビュー】
宮部みゆきの現代モノの小説である。主人公は新聞記者であるが、色々な出来事に巻き込まれて、傍系の雑誌社に出向となった。その主人公が超常能力者と自称する少年と出会う。いまどき超常能力者など流行らないが、昔はユリ・ゲラーを始めブームとなった時代もあった。
この少年は人の心が読めるというものである。大昔に米国のテレビドラマにミステリー・ゾーン(トワイライト・ゾーン)というものがあった。そのハイライトは朝駅前で新聞を買い、コインを皿の上に投げ入れると、立ったままになった。それ以来そのドラマの主人公は喋ってもいない相手の心の声が聞こえてくるというものであった。
本書の主役の少年はまさに相手の心の中での会話が聞こえてしまうというものである。そればかりか、話が進むにつれてテレポーテーション、テレパシーなどあらゆる超常現象が登場してくる。それだけならば驚くには当たらないかも知れないが、同じ能力を持った年齢の近い少年が別に登場するところが宮部の小説らしいのである。
これから記者と2人の超常能力者がどう絡んでくるか? また、この2人の超常能力者がその能力をどのように発揮していくかが面白いところである。ただし、常人である私は宮部が描くこの2人には馴染めない。どこまで行っても馴染めそうもない。しかも、記者が偶然に知り合った少年とその友人が2人とも超常能力者であったというのも、如何にも小説的で不自然であると思う。
しかし、その発想やストーリーはけっして退屈するところがない。ぐいぐいと引き込まれてしまう。それは不自然性を克服して興味が先に立つのであろう。ますます宮部みゆきのファンになってしまったようだ。
第2位 火車
【あらすじ】
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
【印象的なレビュー】
第6回山本周五郎賞作だあるとともに1992年度ベスト・ミステリーに選ばれた一作。
本作の面白さは、バブル崩壊直後のクレジットカード破産という世相を反映した、他人へのなりすましという事件の設定とその張本人新城喬子の人物描写にある。カードローンによる自己破産にまつわる話は、現在でもときどき身近にその例を聞くことがあるが、それを犯罪の動機にからめたことによって、より説得力のある設定になっている。終盤、新城喬子の過去をめぐって物語の展開はゆれ、興奮を抑えきれなくなるのは確実である。(のり)
e-honレビューより
第1位 模倣犯
【あらすじ】
墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった――。未曾有の連続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕!
【印象的なレビュー】
単行本の発表から5年を経て、ようやく文庫化された宮部みゆきの代表作。
全5巻の長編ながら読み応えは充分で、時間の経過を忘れるくらいのめり込める。
連続誘拐殺人事件を通して、被害者の遺族と加害者、マスコミや警察など事件に係るものを部分として捕らえ、すべてを組み上げていきひとつの作品に仕上げようとする気概を感じる。
なかでも登場人物の造形に力が注がれており、加害者にあっては、環境が及ぼす影響や事件に走った経緯というところまで掘り下げて描こうとしている。
また、中盤で一端物語が終焉を迎えたかのように見せかけて、新たな局面へ展開させるあたりにも、技巧的なものを感じる。
よどみない筆致と、厳格なる作者の意思が感じられる意欲作で、この作品の『現代ミステリの金字塔』という触れ込みもあながち誇大広告ではないように感じられる。
読み終わらないと真意がわからない、タイトルの付け方もうまい。
人気の高い作品を無料で読む方法
いかがでしたでしょうか
自分の知らない作品が上位にあって、読みたくなったのではないでしょうか?
そうですよねぇ・・・
物語に没頭するには本に向き合って集中しなければならないので
忙しい毎日を過ごす現代人には読書はなかなか難しい趣味ですよね
しかし、いつもの通勤時間や家事の時間に本が読めたとしたら、どうでしょうか?
audible(オーディブル)を使えば
いつもの毎日にスッと読書の時間が入り込んで、物語をどんどん読めますよ
しかも、2021年2月現在なら
2冊無料で読むことができます
1位 模倣犯
2位 火車
5位 ソロモンの偽証
9位 理由
Amazonのサービスで簡単に言うと「聴く本」
以下の特徴があります
・1ヶ月(または2ヶ月)無料
・最初の1冊が無料
・買った本は返品できる
・0.5~3.5倍速で聴くことができる
・約40万冊の種類がある
それまでに読み終わるかなぁ?
オーディブルなら宮部みゆきさんと伊集院静香さんの対談を聞ける
オーディブルの独占番組のなかで、宮部みゆきさんと伊集院静さんとの対談番組がありました
こちらも無料で聴くことができます
試しに聞いてみたのですが、宮部みゆきさんは想像よりもずっと柔らかい口調の方で
とても親しみやすい女性という印象を受けました
筆に詰まった時は「スーパー銭湯」や「ディズニーランド」に気晴らしに行く話
作家人生を振り返って、最初はどんなことに悩んでいたか
最初に受賞した時はどんな気持ちだったとか
タイトルがしっくりこないと、そもそも出版せずに自らお蔵入りさせる話とか
非常に宮部みゆきさん自身を身近に感じられる面白い番組でした
もし著者の方が気になる方は是非聞いてみてください
【オーディブルのアプリをダウンロードする】
宮部みゆきの代表作品一覧 まとめ