プロテイン飲むと腎臓壊すって本当?嘘?【論文とエビデンス調べてみた】

プロテイン飲みたい・・・だけど、腎臓に悪いって聞くと踏み出せない・・・
どうしたらいい?誰か教えて・・・

 

プロテイン飲んでたら、知らないうちに腎臓ボロボロになってるとか超コワイですよね?

 

腎臓と肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、気づいた時にはもう手遅れってことになってるのが一番イヤ

でもプロテインはダイエットにも良いって聞くし、できればうまく使って理想の身体に近づけたい!

 

そのためにプロテインのマイナスの情報を知って、どうしたらいいのか決めたい!

その気持ち分かります

 

私も筋トレを始めようとしてた時に弟から

「プロテインは腎臓に悪いから止めた」と聞いて戦々恐々としていましたが、今ではグビグビとプロテイン飲んでます

 

プロテインを飲まずに筋トレしている弟はガリガリのままですが、正しい情報を掴んでプロテインを飲んだ私は筋肉もたくさん付き、体重も体脂肪も落ち、腹筋がうっすらと見えるくらいになりました

 

プロテインが腎臓にダメージを与えるという明確な根拠とエビデンスは今のところないので、それほど気にしなくても良いというのが私の意見です

 

 

この記事を読めばプロテインと腎臓の関係性について、詳しくお知らせするのでプロテインがどれくらいの危険性を持っているのか

そして、あなたは飲んでも問題ないのかどうか判断できるようになりますよ

 

 

 

 

・プロテインを飲みたいけど腎臓壊すのが怖い人

・プロテインのデメリットを確認しておきたい人

・プロテインについて、まだ良く知らない人

・「プロテイン=腎臓に悪い」という呪いを受けている人

 

 

プロテインが腎臓を壊す?

 

 

結論:
プロテインと腎臓病を結びつける明確な根拠(エビデンス)はない

 

普通に考えると腎臓にダメージを与えてもおかしくないと考えられているのですが、今のところ根拠は見つかってないんですねー

 

 

「ジンゾー」ってどんな形してたっけ?という方のために画像を貼っておきます

豆みたいな形の臓器が左右二つあります。これが腎臓です

Doctors examining kidneys in the medical concept

 

 

 

腎臓は身体の中で発生する色んな物質を「身体に必要なもの」と「身体に不要(有害)なもの」にフィルタリングする機能を持っています

 

身体の中に巡っている血液が不要なものを集めてきて腎臓でろ過 → きれいになった血液はまた身体の中を巡り栄養や酸素を届けて、不要な老廃物と二酸化炭素を運ぶ

というサイクルを続けており、いわば身体の中の浄水場って感じ

 

「はたらく細胞」の赤血球が浄水場に荷物を運んでいると思うと覚えやすいです

 

 

タンパク質自体は身体に必要なものなのですが、多すぎると身体の外に出さないといけません

 

【タンパク質が身体の外に出るまでの流れ】
 
タンパク質 → アミノ酸 + アンモニア → 尿素 → 尿

 

身体に必要なのはアミノ酸で、不要なアンモニアは尿として排出されます

 

尿素を尿にろ過するのが腎臓の役割の一つです

 

「プロテインは腎臓に悪い」と言われているのは

多過ぎるタンパク質は結局、余分な尿素を作り出すのでそれを浄化する腎臓に負担をかけるのは当然だろうという”ごもっとも”な意見なのです

 

腎臓が一日にろ過する血液の量は150Lくらいで、大型のドラム缶約1本分

血液全部を尿にするわけではありませんが、毎日ドラム缶一本分のろ過を頑張っていると思うとすごい働き者だと思いませんか?

 

 

腎臓の立場になって考えて欲しいのですが、毎日ドラム缶一本分のろ過に加えて、大量の尿素を尿に変える仕事を追加されたら過労死しそうになりますよね

腎臓は頑張り屋なので、黙々と無茶な仕事をやり続けてガタガタになるまで使命を全うするブラック企業戦士みたいな臓器なのです

 

不安が解消されたところで、もっとプロテインを知りたいという方はこちらの記事もオススメ

 

腎臓に不安がある人にはプロテインはオススメできない

 

腎臓または肝臓に不安がある人にはプロテインはオススメできません

 

WHOの調査では「たんぱく質の過剰な摂取は慢性腎臓病や糖尿病性腎症を悪化させる」と報告されています

 

腎臓病の患者にタンパク質の制限を加えたら症状が良くなったよというケースが多いことも事実

 

そのため、

・タンパク質を減らすと腎臓が良くなったぞ!
 
・じゃあ、やっぱりタンパク質が腎臓に悪影響を及ぼしているんだ!

このように考えてしまうことになります

 

ただ、腎臓が健康な人ではこのようなことは起こらないので安心してください

 

プロテインの“飲み過ぎ”は良くない

 

頑張っている腎臓のことを思うとプロテインを飲むことで、定時直前に大量の追加の仕事を押し付けるような鬼畜の所業をしていることになるのではないかと考えてしまうかもしれません

 

しかし、プロテイン=腎臓に悪いものと考えるのは少し早すぎです

 

「多すぎるタンパク質」が腎臓に負担をかける可能性はありますが、適正な量なら正常に動いてくれます

プロテインを過剰に恐れることはありません

 

プロテインも薬と同じで、用法・容量を守って正しく使いましょうってことです

 

 

①運動していない人
 :体重×1~1.2g
 
②筋トレ、ランニングなどの運動をしている人
 :体重×1.2~1.6g
 
③アスリート、激しい筋トレを行っている人
 :体重×1.6~2.0g

 

運動していない人でプロテインを試したい人は、まず1日の食事でどれくらいタンパク質を摂っているのか確認するところから始めてみてください

 

例えば

体重50kgで運動していない人の場合は、1日 50~60gのタンパク質が適正な範囲となります

食事で40gのタンパク質が摂れているとしたら、10~20g タンパク質が不足しているのでホエイプロテインを1杯飲むとちょうどいいくらいになります

 

週2でジムに通っている人は、体重×1.2~1.6gくらいの量を毎日飲みましょう

体重が多いほど、運動の強度が高いほどタンパク質がたくさん必要になります

 

基本的には食事をベースにタンパク質を摂って欲しいところ

あくまでも足りないタンパク質を補うような気持ちで飲んでください

 

毎日3食きっちり、バランスよく栄養を摂っている人にはプロテイン不要です

 

食事からのタンパク質が分からない場合は

 

3食の食事内容からいちいち計算するのは超めんどくさいので、便利なアプリを使って計算してみると1日にどれくらいのタンパク質を摂っているのか目安になります

 

料理の写真を撮るだけで勝手に栄養素の計算をしてくれるので超便利

画像認識AIってスゴイですよね。この時代に生まれて本当に良かった

 

調べてみたら意外とタンパク質は十分でプロテインは不要ってこともあると思います

その場合は炭水化物と脂質に注目してみると、びっくりするほどカロリーを摂っている場合があるので食事の見直しがしやすくなりますよ

 

あすけん ダイエットのカロリー計算・体重管理・食事記録あすけん ダイエットのカロリー計算・体重管理・食事記録
asken inc. (Tokyo)無料posted withアプリーチ
 

 

 

 

タンパク質を摂り過ぎるとどうなる?

 

筋トレをしているとタンパク質は筋肉の修復に使われます

問題は必要以上にタンパク質を摂った場合です

 

1,筋肉の分解スピードを遅らせる
 
2,身体を動かすエネルギーとして使われる
 
3,余ったカロリーは脂肪として蓄えられる
 
4,尿として排出される

 

 

髪とか肌とか身体の組織に使われるとか筋肉の修復とか分解スピードを抑える用途以外では

タンパク質も1gあたり4kcalのエネルギーを持っているので、エネルギーとして使われます

 

もちろん摂り過ぎると無駄な脂肪として蓄えられるので、タンパク質ならどれだけ摂っても良いわけではありません

 

タンパク質の分解途中にアンモニアという有害物質が発生するので、必要以上にタンパク質を摂り過ぎるのはあんまり良くないですね

腎臓以外にも肝臓にも負担かけちゃうので

 

腎臓の機能をチェックするには?

 

果たして自分の腎臓は大丈夫なのかって気になりますよね?

 

チェックする方法をいくつかお知らせします

 

今すぐできるセルフチェック

 

以下のチェックリストに一つでも当てはまる場合は、プロテインを飲むことをストップしてください

一時的なものなら良いのですが、いつも当てはまるとなると肝臓または腎臓の機能が低下している可能性があります

 

□ 健康診断の尿検査で異常がある
□ 尿の色が変だと感じたことがある
□ 尿が泡立っていると感じる
□ 夜間に何度もトイレに行く
□ 顔色が悪いとよく言われる
□ 疲れやすい。疲れが抜けない。息切れがする
□ 脚や指にむくみを感じる。靴や指輪がきつくなった

 

血液検査

 

もっと具体的に数値で確認する場合は血液検査

 

「血清クレアチニン値」が判断の基準となります

男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下が正常値

 

1年に一度受ける健康診断の項目に含まれている場合があるので、過去の診断結果を確認するか、次の結果を注意深く見てみましょう

 

健康診断まで待てない人は銀座血液検査ラボ の生活習慣病検査を使えば家にいながら血液検査できます

 

血清クレアチニン値が分かれば、「eGFR」も確認できます

eGFRは腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示す指標です

 

献血で肝臓の状態が分かるよ

 

タンパク質を排出するまでのプロセスでは肝臓と腎臓がタッグを組んで頑張っているので、肝臓の状態も確認した方が良いでしょう

 

幸いなことに肝臓のALT、γ-GTPは献血することで検査できるので肝臓が不安な方は献血すると検査もできて社会貢献もできて一石二鳥!

マンガも読めるので個人的には一石三鳥ですね

 

ALT:肝臓に最も多く含まれる酵素。肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので、急性肝炎で最も多く上昇し、慢性肝炎や脂肪肝(肥満)などでも上昇する
 
γ-GTP:肝、胆道、膵、腎などに多く含まれる酵素。上昇する疾患は閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害など。長期飲酒者では上昇することが多く、1カ月くらい禁酒するとある程度正常化する

 

 

プロテイン×腎臓の論文・エビデンス

 

ここではプロテインと腎臓の関係を研究した論文をエビデンスとして紹介します

 

プロテインはどれくらい飲むと流石にヤバイ?

 

1日に約230gのタンパク質を摂ると肝臓の処理が追い付かなくなるという研究結果があります

プロテインで換算すると12杯くらいですね

 

流石にそんなに大量に飲まないと思いますが、今確認できている限界量は約230gです

 

230gのタンパク質を身体に入れて被験者は死んだということはありませんので安心してください

尿の成分をモニタリングして、タンパク質の量をどんどん多くしていくと肝機能の限界はどこなんだ?という研究したものです

 

 

正常な人が1日に0.33 g protein N/kg body weight (BW)((3/4)) を食べると、1kg BW((3/4)) あたり10-15 mgの尿素N/hを排泄します。ここで、0時間後に0.27(投与量A)、0.40(投与量B)、0.53(投与量C)、0.94(投与量D)、または1.33(投与量E)gタンパク質N/kg BW((3/4))を摂取した場合 (投与量Cでは尿中尿素N排泄速度が最大となり、平均55mg/h/kgBW(3/4)、16時間持続した。血中尿素N(BUN)は、CからEの投与後最初の8時間に7〜20mg/100ml上昇し、その後の8〜28時間のMRUEの間、±5mg/100ml以内で安定した状態を維持する。タンパク質の投与量がCより増加するごとに、血漿中のα-アミノNはさらに増加する。遊離アミノ酸を110または165 mg/kg BW((3/4))の速度で12時間注入すると、尿素排泄率はタンパク質をC〜Eの用量で投与したときのMRUE値まで増加する。これらの結果は、MRUEは尿素合成の最大速度(MRUS)の期間に相当していることを示すものである。

Maximal rates of excretion and synthesis of urea in normal and cirrhotic subjectsより和訳

 

腎臓が健康なら高タンパク質な食事でも大丈夫?

 

腎臓とタンパク質に関する30件の研究を精査した系統的レビューの論文に信頼性があります

一つの研究結果より複数の論文をチェックしてみてレビューしてみる方が信頼できますよね

 

口コミ数5件 より 口コミ数200件の方が正当な評価になってると思うでしょ?

 

 

結論としては、高タンパク質の食事にすると腎臓のろ過速度が上がり、尿に含まれる尿素の量を増やすが腎臓の通常機能だから病気との関連性はないということになります

 

慢性腎臓病(CKD)の症状や尿毒症の多くは、タンパク質不耐症が原因です。食事で摂ったタンパク質の代謝産物やタンパク質の多い食品に含まれるイオンを排泄できないために症状が出ます。その結果、塩分、リン酸塩、尿酸、多くの窒素含有代謝産物が蓄積され、代謝性アシドーシス、骨疾患、インスリン抵抗性などの二次的問題が顕著になる。これらの問題は、食事療法によって回避することができる。タンパク質制限食は栄養失調を引き起こすことはなく、これらの食事によって進行したCKD患者でも体重、血清アルブミン、正常な電解質値を維持することができる。
 
Dietary protein restriction benefits patients with chronic kidney diseaseより和訳

 

 

 

そんなに気にしなくても大丈夫だと思うけどね

 

これまで色々とと恐ろしい事実を紹介してきましたが、それほど怖がる必要はありません

 

健康であればプロテインを少し飲み過ぎたぐらいで壊れません

例えば久しぶりの焼肉で気分が悪くなるほど肉を食べるとするじゃないですか

 

その時はどう考えても1日のタンパク質の必要量はオーバーしてるんですよね

でも腎臓壊れてないじゃないですか?

 

一時的なショックで壊れるような臓器ではないんで、ビクビクしすぎるのもどうかなと思います

 

ここでタンパク質の摂取量のデータを紹介します

 

明治ーあなたは大丈夫?日本人はたんぱく質不足より

 

一般社団法人 日本透析医学会ー2020年末の慢性透析患者に関する集計より

 

1975~2005年頃まで日本人のタンパク質摂取量は高い状態でしたが、2010年あたりからタンパク質の摂取量が少なくなっています

しかしながら、慢性透析患者数は減ることなく増え続けています

 

これはタンパク質だけが腎臓を悪化させる要因ではないことを示しています

 

 

加えて、国民生活センターに寄せられたプロテインに関する情報を調べてみました

 

 

プロテインに関する報告は4件で、スポーツジムの契約が解約できないなどのプロテインの内容には関係ない報告も多く

プロテインを飲んだことで健康被害があったという報告はありませんでした

 

プロテインが盛り上がってから、もう何年も経っていますが未だに明らかにプロテインが原因の健康被害の報告はなかったということをお知らせしておきます

 

 

また、腎臓や肝臓にダメージを与えるのはタンパク質だけではありません

ジャンクフードや砂糖たっぷりの清涼飲料水は肝機能を低下させる可能性が大きいので、タンパク質だけ気にして脂質、糖質を気にしないのはおかしなことです

 

 

 

プロテインをきっかけにして、健康的な食事を意識して欲しいと思います

 

飲んだらすぐに腎臓がおかしくなるわけじゃないので、飲む量を気にしつつ、身体の変化(特に尿)に注意しながらプロテインを使えば問題ないので、うまく使ってみてください

 

 

 

プロテイン飲むと腎臓壊す? まとめ

 

・腎臓と肝臓に不安がある人にはプロテインはオススメできない
 
・プロテインが腎臓にダメージを与えるという明確な根拠とエビデンスは今のところなし
 
・腎臓の機能≒身体の浄水場→老廃物(タンパク質が代謝されたもの等)をろ過する役割
 
・「タンパク質が大量に身体に入ってくると多くの老廃物をろ過する必要があるので負担がかかる」と考えられている
 
・プロテインは飲みすぎ注意 身体の状態を見ながら飲みましょう
 運動していない人は1日 体重×1~1.2gくらいのタンパク質になるように調整しよう
 まずは食事からのタンパク質を確認しつつ、1日1杯から始めてみて

 

プロテインでもサプリでも何でもそうですが、少しずつ試してみて身体の変化を見ながら良さそうなら続ける

なんか異常があるなら止めるというのは自分自身の安全を確保するうえで普通のことなんで

 

プロテインをきっかけにして健康意識を高めてもらえればと思います

 

プロテインを飲む → カロリーのチェックを始める → 食生活を改善する → もっと痩せたくなる → 筋トレを始める → メリハリのついた身体になる → 自己肯定感が上がる → 何でもうまくいくようになる

 

みたいになれば理想ですねー